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2006/2007シーズンを終えて~地元としての世界選手権~

ソルトレイクオリンピックが終わり、『このままでは終わりたくなかった』のと、『次(2006年)は戦いに行くオリンピック』にしたいとこの時すでに思っていた。
それと同時に、2006年トリノオリンピックを機に引退しようと思っていた…。。
そんな中届いた一報は、私にとって更なるチャンスの場所を示していた。

2007年ノルディック世界選手権、札幌開催!
世界選手権が札幌で開催されると決まった当初、私はまだ迷っていた。
2006年オリンピックを機に引退するべきか。
私はその当時、地元北海道ではなく暖かく『スキーが出来るの?』と聞かれる事が多かった広島県に住んでいた。もちろんスキーを続ける為に全面協力してくれていた会社『チチヤス乳業』さん。
だからこそ迷っていた。
北海道で産まれ北海道で育った私に、2007年の世界選手権を“北海道の企業”で、“根っからの地元出身”として迎えたいという思いが大きく心の中に存在していたからだ。
もちろん、広島から出場したとしてもみんなが祝福&応援してくれるのは百も承知だった。
それでも、地元から出場したかった。自分自身が『北海道』『地元』というフレーズにこだわっていたのだ。
気持ちが弱い私が、『地元・北海道』という言葉に精神的な補強を求めていたのだ。
もちろん広島での選手生活もあり、地元・網走での“所属先未定”という時期も乗り越えて、北海道・札幌での競技生活再開。
本来ならばプレッシャーとなる『地元』という言葉を、私がうまく自分の力に変えることが出来たのは、こんな道筋があっての “地元”という言葉をだったからだ。そして『 地元』にこだわった私が、この後何度となくこの言葉に勇気づけられた事は言うまでもない。

だからこそ、この札幌世界選手権で全くと言ってよいほど緊張をしなかった。
ましてや、レースそのものの雰囲気を楽しむ余裕さえあった。
“地元・北海道”で、“札幌ドーム”で行われる事で、自分の持てる力以上のものが引き出されたのだ!!!!!
ソルトレイクオリンピックでは、セミファイナルに進む準備が出来ていなかった。
もちろんその後4年間、セミファイナルへは進めずにいた。
そんな私にトリノオリンピックの直後2006年3月ノルウェー・Drammenにて、再びセミファイナルへ進むチャンスが舞い降りてきた。
もちろん!今度はちゃんとチャンスを掴み取った!
でも、期待されていた選手が他の選手と接触してしまい、ロスしている間に駈け抜けていった『ラッキーレース』のようなものだった。
それでも4年間生かされなかったチャンスをものに出来たという満足感があった。
その次のヒートから疲れがでて、Bファイナルでも自分の走りという走りは出来なかったけれども、このときはセミファイナルという壁を乗り越えられた嬉しさに満ちていた。
それはトリノオリンピック・チームスプリントでの8位入賞という成績が自分に自信を持たせてくれたんだろうと思う。

札幌世界選手権、クウォーターファイナルへ挑むにあたって、私は少しの不安にかられていた。『次のレースで敗れたら…私の世界選手権が終わってしまう。』
次にさえ残れれば、あと3回(Aファイナル、Bファイナルにしても)
いつもの心配性がわっと湧き出てきた。。
疲れも“0”ではなかった。
そんな時、今年からパーソナルコーチとしてトレーニングを一緒にしてきたコーチが、
『いいか、お前が疲れてるってことは、他の選手も疲れているんだ、それ以上疲れている選手もいるんだよ。大丈夫おまえならできるよ』って言ってくれた。
そして、もう一人のコーチが『あと3回も走れるよ♪』と言ってくれた。
私にはその言葉が『何も恐がることはない、一人で戦ってるわけじゃないんだよ!みんな不安なんだ』って聴こえた。
いつもなら『あと3回も走らなきゃ』とネガティブになっていたところを、『あと3回楽しもう♪と思えた』 (←単純!?)
そして、この言葉を聴いた瞬間に会場にいたすべての人が、味方に変わったんだよ。
みんなが私の精神的な弱さをカバーしてくれたんだよ♪
ありがとう。

だからセミファイナルの時、ドームに入ってきた時に確実通過である2位に上がることが出来たのは、みんなのおかげ。
みんなが追い風を吹かしてくれたでしょ!?
ちゃんと受け止めることが出来てよかった。
みんながいたから、みんなが背中を押してくれたから、強い気持ちでスタートに立てる事が出来たよ!
みんながいたから、みんながついていてくれたから、ちゃんとAファイナルへ進む準備も自然と出来ていたんだと思う。
そうじゃなかったら4年ぶりに自己最高の10位を更新した人間が、世界選手権という大舞台で5位なんて大幅に順位を上げることは出来なかったと思う。

みんな本当にありがとう!

だからこそ札幌世界選手権で5位入賞した時、他の競技ではニュースにもならないような成績でも嬉しかったし、『なんだ5位か』と言われる成績でも素直に嬉しかったのだ。
そして、新聞1面での扱いも心から嬉しかった。。
そして今は、一面で取り扱ってくれるような新しくて強い成績をまた出そう!
そう思えるようになったから、来シーズンも頑張ろうと考えれるようになった!

by natsu_mim | 2007-03-31 22:11 | Ski**  

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